日々変わるのがマーケティングなのに、不変の法則があるって?
私はこの本のタイトルを初めて見たとき、どこか「傲慢だ」と感じました。
(韓国語版のタイトルは『マーケティング不変の法則』。原題は "The 22 Immutable Laws of Marketing" で、日本語版は『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』として出ています。)
最も速く変わるのがマーケティング だと多くの人が言うのに、不変の法則だなんて! 嘘を作る一番簡単な方法は、頭に 「永遠に」 を付けることだ、という言葉もありますからね。
しかしこの本の中身は、実際に変わらない人間の本性を軸に、マーケティング、その中でもポジショニングについてのすべてを語っています。
マーケティングは「製品の戦い」ではなく「認識の戦い」である
本書で紹介される22の法則のうち相当数が、まさに 「認識の法則」 を説明するための手段であり、歴史的に有名なマーケティングの成功&失敗事例を通じて理解を助けてくれます。
実務でこの本を効果的に活用するには、自社ブランドが消費者の心の中で 「どんなキーワード」 を占有しているのかを把握する必要があります。
VREVIEW(韓国インデントコーポレーションの動画レビューソリューション)を例に挙げると、見込み客の頭の中に 「購買転換率」「動画レビュー」 といったキーワードが定着し、それが 「VREVIEW」 というソリューションと結びつかなければなりません。
VREVIEWのマーケターの目標
- 多くの人にVREVIEWを知ってもらわなければ(X)
- 人々に 「購買転換率」「動画レビュー」 の重要性を伝えなければ(O)
これは最近広く使われている デマンドジェネレーション(Demand Generation)、ソートリーダーシップ の概念ともつながります。
B2Bマーケティングという巨大な説得のプロセスにおいて、顧客が問題を認識するのを助け、それに対する解決策を提供できなければなりません。
1位に勝つ武器を見つけること
本書では認識の法則のほかにも、「2位以下のブランド」 が取るべき望ましい戦略を紹介しています。
市場でのポジションが低いなら1位とはまったく異なる属性を強調すべきだという点、その属性に惹かれる顧客以外は切り捨て、拒むことも必要だという点を語っています。
また、この本は 「ライン拡張」 に対して強い拒否感を示しています。
企業規模が大きくなるにつれて自然と派生ブランドを作るケースが見られますが、こうした試みは高い確率で失敗すると主張しています。
たとえばマールボロのタバコが「カウボーイ」を超えて 「カウガール」「エリート会社員」 といった属性に拡張しようとすれば、既存の顧客層まで離れていくだろう、という点です。
私はこの主張に一部は同意しますが、顧客ニーズがますます多様化している現時点では、現実的な解決策にはなりにくいのではないかと思いました。
総評(⭐️ 4.0)
よくSTPと呼ばれる市場細分化、ターゲティング、ポジショニングの中でも、最も理解しにくいポジショニングについて考えるきっかけになりました。
この本を読むまではSTPが必要な理由を単に 「限られたリソースの活用」 のためだと思っていましたが、認識の法則を知ってからは 「成果を最大化」 するためのものだと視点を変えることができました!
マーケティングの理論や事例に関心のある方なら、無理なくすらすら読める本なのでおすすめです。😃
