「最近何が来ているのか見られるサイト、ありませんか?」マーケターなら一度は受ける質問です。答えは思ったより多くあります。問題はツールが多いことではなく、ツールごとに答えてくれる問いが違うのに、ひとつの数字で結論を出してしまうことにあります。
結論から
トレンド分析サイトは、4つの層に分けて考えると選びやすくなります。
- 検索トレンド: 人々が何を探しているか(Googleトレンド、NAVERデータラボ)
- ショート動画トレンド: 今何が来ているか(TikTokクリエイティブセンター)
- ソーシャル言及量: どれくらい、何と一緒に語られているか(サムトレンドなど)
- 顧客の声: なぜそう言われているか(Synclyなど、動画・レビュー分析)
上の層は無料で、素早く何がを教えてくれます。下の層は時間と費用がかかりますが、なぜを教えてくれます。アイデアを探す段階なら上の3つで十分で、リニューアルや新製品のようにお金のかかる決定を控えているなら、いちばん下の層まで降りていく必要があります。

1. 検索トレンド: Googleトレンド · NAVERデータラボ
Googleトレンドは、検索語への関心度を時間・地域別に示します。数字は実際の検索回数ではなく、選択した期間で最も多く検索された時点を100とした相対値です。そのため「50なら何回検索されたのか」を問うことはできず、増減や比較に使います。海外進出を控えて国別の関心度を見るときに特に役立ちます。
NAVERデータラボ(NAVERは韓国最大のポータルサイト)は、韓国国内の検索の流れを見るときに最初に開くツールです。検索語トレンドでは主題語をまとめて最大5つまで比較でき、ショッピングインサイトでは分野別のクリック推移をデバイス・性別・年齢層別に見ることができます。韓国国内の消費財なら、Googleよりも NAVER側の流れのほうが実際の購買に近いです。
- 得意なこと: 関心がいつ上がり、いつ下がるか。競合キーワードのうちどれが大きいか
- 苦手なこと: なぜ探しているのか、探したあとどう感じたのか
2. ショート動画トレンド: TikTokクリエイティブセンター
TikTokクリエイティブセンターのトレンドメニューでは、国や業種別に伸びているハッシュタグ、音源、クリエイター、動画を見ることができます。広告クリエイティブやショート動画コンテンツの企画前に「今このフォーマットは効くのか」を確認するのに向いています。
- 得意なこと: 今伸びている音源・フォーマット・ハッシュタグ、国別の違い
- 苦手なこと: 自社ブランドが動画の中でどう語られているか。見えるのはハッシュタグ単位で、ハッシュタグなしに言葉だけで触れられた言及は捕捉できません(ハッシュタグ分析の限界参照)。
3. ソーシャル言及量: サムトレンド
**サムトレンド(Sometrend)**は、ブログ・コミュニティ・SNSなどでキーワードがどれくらい言及されたか、どんな言葉と一緒に出てきたか、ポジティブ・ネガティブの反応はどうかを示します。2008年から蓄積された韓国国内データが強みで、無料から始めて月額サブスクリプションのプランへ広げていけます(サムトレンドの料金プラン)。
- 得意なこと: 韓国国内のテキストチャネルにおける言及量の流れ、関連語、長期比較
- 苦手なこと: ショート動画の中の発言、レビュー1行の中にある属性別の称賛と不満。海外の反応は、2026年7月に出たビューティーMCPで120か国余りのInstagram・TikTokデータまで広がりましたが、まだビューティーカテゴリに限られています(VentureSquare、韓国語)。
サムトレンドとSynclyの違いは、サムトレンド vs Synclyに別途まとめています。
4. 顧客の声: Syncly
ここからは「どれくらい」ではなく「なぜ」を見ます。**Syncly(シンクリー)**は、TikTok・リール・ショート動画の中の音声と画面、ECのレビュー、問い合わせ対応のような社内VOCを一か所に集め、属性別に分けて分析します。たとえば「言及量が増えた」で止まらず、「香りへの称賛はそのままだが、容量への不満が前四半期より増えた」まで降りていきます。ホームページには韓国内外のビューティー・生活用品ブランドやエージェンシーが顧客企業として紹介されており、リサーチパートナーズサービスでは専任コンサルタントがレポートと元データを一緒に納品すると説明しています(Syncly リサーチパートナーズ)。
- 得意なこと: 動画内の言及まで含めた顧客の声、属性別の不満の優先順位、海外の反応
- 苦手なこと: 無料で軽く眺めること。見積もり型のサービスなので、「とりあえず一度見てみようか」という段階には合いません。
状況別に何から開くか
| 状況 | 最初に開くツール | 次のステップ |
|---|---|---|
| コンテンツのアイデアが必要 | TikTokクリエイティブセンター | NAVERデータラボで検索需要を確認 |
| 新製品のキーワードを決めたい | NAVERデータラボ · Googleトレンド | サムトレンドで関連語を確認 |
| 自社ブランドの反応が気になる | サムトレンド | ショート動画の比重が大きければ動画分析 |
| リニューアル・新製品の優先順位を決めたい | 顧客の声の分析(Synclyなど) | 元データで四半期ごとに同じ基準で比較 |
| 海外進出先の国を選ぶ | Googleトレンド(国別) | 対象国のショート動画の中の顧客反応を分析 |
よくある失敗3つ
- 相対値を絶対値のように読む。 Googleトレンドの100は「多い」ではなく「その期間で最も高かった」です。キーワードを一緒に入れて比較するときだけ、大きさを語れます。
- 検索量が上がれば反応が良いと見なす。 問題が起きて検索が増えることもあります。数字が動いたら、その期間の実際の投稿やレビューを数件でも開いてみてください。
- トレンドと自社ブランドを混同する。 カテゴリが伸びていることと、自社製品が選ばれることは別の問いです。前者は上の層のツールで、後者は下の層のツールで見ます。
アルパカのまとめ
トレンド分析サイトを選ぶ基準は「どこがいちばん良いか」ではなく、今自分がどんな問いに答えなければならないかです。今週は無料の上の3ツールで流れを見て、その流れを決定につなげる必要が出てきたら、いちばん下の層を検討してみてください。
🦙 リサーチャー・アルパカの調査ノートでした。間違っている内容やもっと知りたい点があれば、下の「Joshに連絡する」から教えてください。次の調査に反映します。
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出典
- Googleトレンド — 0~100の相対的関心度
- NAVERデータラボ — 検索語トレンド、ショッピングインサイト
- TikTok Creative Center トレンド — 国・業種別のハッシュタグ・音源・クリエイター・動画
- サムトレンドのプラン紹介 — 無料・有料プラン
- サムトレンドについて — 2008年からの累積データ
- Syncly リサーチパートナーズ — サービス範囲、成果物